あと半年に迫ったパリパラリンピック。注目の静岡県勢を紹介します。今回はシッティングバレーボールの藤本みづほさん。パリ切符をかけた最終予選が4月に行われます。彼女の誓いとは?

SBS


シッティングバレーはお尻を床につけた状態でするバレーボール。コートが狭いため選手同士の距離が近く、スピード感あふれるラリーが魅力です。

藤本選手は静岡市清水区出身。昨年のアジアパラ競技大会に出場し、日本の銅メダル獲得に貢献しました。

SBS


<藤本選手>
「県内でパラバレーボールをする機会がとても少なかったので、もっともっと普及活動というか、もっと広げていけたらいいなと思います」

パリを目指す19歳は大学1年生。親元を離れ、兵庫県の武庫川女子大学で教育学を学んでいます。

SBS


藤本選手の障害は見た目ではあまり分かりません。

<友人>
「最初は、障害じゃなくて怪我かと思ってました」

SBS


藤本選手は中学2年の時、右大腿骨(みぎだいたいこつ)の骨肉腫を発症しました。病巣の切除は16時間を超す大手術でした。抗がん剤の投与と7度にわたる手術で、入院生活は延べ1年に及びました。

長期のリハビリを乗り越え、歩くことはできるようになりましたが、走ることやジャンプなど足に体重がかかるような動きは今もできません。

SBS


藤本選手の現在の所属は大阪のシッティングバレーボールチーム。男子の日本代表選手に交じっての練習です。

代表の試合ではワンポイントで出場することが多く、今はサーブに磨きをかけています。

自主練も含めるとトレーニングは多いときに週5日、バレー漬けの毎日です。

SBS


<母の藤本知代さん>
「ちょっと風邪を引いたと言うので、何を食べてるかな、大丈夫かなと思って気になって来たんですけど、普段はそこまで頻繁には来ないです。(小さい頃から)バレーボールがすごい好きで、バレーをやっているときの顔が忘れられません。

日本代表のキャプテンにSNSで連絡を取って姫路まで見に行って。『座ってやるバレーなんかに興味ない』って言ってたんですけど、1回体験したら沼りました(笑)」

SBS


<藤本選手>
「みんなから見ても普通の状態に見えて、自分の好きなこともできるんだって思ったら、すごい幸せで。悩んでいたこともあるにはあるんですけど、今は解放されました」

シッティングバレーが希望を与えてくれたように今度は自分が恩返しをする番だと考えています。藤本選手がフリップに書き込んだ言葉は「最終予選突破!」。

SBS


<藤本選手>
「パリパラリンピックの最終予選を突破するために、全世界の強いチームに打ち勝てるチームを目指して頑張っていきたいと思います。なかなか出るタイミングがなかったとしても、コートの中でもコートの外でも自分のできることを全うしてチームを盛り上げていけたらなと思います」

シッティングバレーボールの最終予選は4月、中国で行われます。藤本選手がパリの舞台で輝けるよう、みなスポはこれからも全力で応援します!